沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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222)貯金してます?

弁護士同士だけでなく、同業者間で交わされる、ありがちな会話。
「最近、仕事、調子どう?」
「バタバタだねえ。」
「ボチボチだねえ。」
「カツカツだねえ。」

まあ、日本人なんで、ちょっと控え目に言うのが常識だろうか。
とすると、翻訳すれば、
バタバタ=「大繁盛!まさに絶好調だね。」
ボチボチ=「悪くないねえ。公私ともに、いい感じ。」
カツカツ=「食うには困らないけど、収支トントンかな。」
という感じかね(笑)。

ところで、平成25年の国税庁の「統計年報(申告所得税)」によれば、
確定申告した弁護士のうち、実に「21%」が「赤字申告」である。
また、平成24年度の国税庁の「法人企業の実態(会社標本調査)」によれば、
調査法人253万社のうち、実に「70%」が「赤字申告」である。

まあ、税金を払いたくないが為の意図的な操作もあろうが、
それにしても、驚くべき「赤字申告」の多さである。

個人でも、企業でも、「貯金(内部留保)」は必要不可欠。
貯金(内部留保)を作るためには、まずは「黒字」でないとダメ。

個人ならば、黒字家計で貯金が無いと、
・臨時の出費に対応できない
・借金しても返済できない
・大きな買い物ができない
・老後資金を作ることができない
ということになる。

企業ならば、黒字会計で内部留保が無いと、
・臨時の出費に対応できない
・借金しても返済できない
・戦略的な事業投資ができない
ということになる。

会社の場合、たとえ赤字申告でも、
「役員報酬」の一部を会社の内部留保として積み立てていけば、
まあ、何とかなると言えば、なる。
とは言え、多くの社長は、高い役員報酬で贅沢しちゃうんだけどね。

一方、個人事業主の場合、黒字申告じゃないと、そもそも生活費すら無い。
従って、赤字申告のままでは、絶対に貯金は実現しない。
これは、実に深刻な話だ。

冒頭の「カツカツ」にしても、
貯金=定額の支出と計算した上での収支トントンなら、何ら問題ない。
だが、貯金ができないという意味での収支トントンなら、大問題だ。

ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏によれば、
理想的な家計の手取り収入に対する比率は、次のとおり。

住居費: 25%
食 費: 15%
水道光熱費: 6%
通信費: 5%
小遣い: 8%
預貯金: 18%
生命保険料: 4%
日用品:2%
医療費: 1%
教育費: 4%
交通費: 2%
被服費: 2%
交際費: 2%
娯楽費: 2%
嗜好品: 1%
その他: 3%

う~む。ちょいと細かいねえ。
ざっくりまとめると、
固定費(住居費・水道光熱費・通信費・生命保険料・教育費)が44%、
預貯金が18%、
その他の変動費が38%という計算になるので、

固定費=45%(うち住居費=25%)
変動費=35%(うち食 費=15%)
貯 金=20%
を大まかな目標にするとよいのだろう。

貯金というと、
「節約」「切り詰める」「我慢」「つらい」
という印象を抱く人が多い。

だが、貯金できない世帯の家計に共通しているのは、
何と言っても、「固定費のムダ」である。

固定費がムダに大きいから、
変動費をムリに切り詰めてしまい、
結局、ストレスが溜まりに溜まって、
最終的に、挫折・爆発する、というワケだ。

そもそも、住居費を手取り収入の25%以下に抑えているだろうか。
保険は、家計破綻リスクに備えるためのものだが、
それ以外のムダな保険に入っていないだろうか。
親のエゴで、子供がイヤイヤ通っているムダな習い事がないだろうか。

貯金できない世帯の家計は、固定費が70%近いはずだ。
そうなると、どれだけ変動費を切り詰めても、
貯金は一向に貯まらず、ストレスだけが溜まる結果に終わる。

企業は、事業継続ができなくなれば、廃業して終わりだ。

だが、個人は、働けなくなってからも、20年以上は人生が続く。
そのときに、老後資金が全く無かったら、と思うと、ゾッとするよね。
今の年金制度に老後の全てを託そう、という潔い人は少なかろう。

豊かな老後生活を過ごすためには、
固定費のムダを削り、ストレスなく貯金を継続していく。
これしかないのだ。

手取り30万円の世帯収入なら、45%=13万5000円。
住居費・水道光熱費・通信費・生命保険料・教育費の合計をこの金額で抑える。
実は、これが、身の丈にあった生活レベルなんだよね。
いやいや、これって、結構できてないっすよねえ。