沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • 2024年5月
    « 4月    
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • アーカイブ

  • 法律相談
  • 顧問契約

98)教育は「信頼」なり

夏休みを利用して、下の子と「キッザニア甲子園」に行ってきた。

さすがに、上のお姉ちゃんは、キッザニアという歳ではないので、私と下の子がキッザニアに行っている間、ママとお姉ちゃんは2人でショッピングに興じていたという次第。

結局、オシャレに目覚め始めたお姉ちゃんの物ばかり買って、ママの収穫はゼロだったようだが(笑)。

何しろ、お盆の時期の家族旅行となったので、前日の深夜に車で出発して、SAやPAで十分な睡眠を取りながら、余裕を持ってノンビリ行こう!などと計画したのだが、いきなりトンデモナイ事故渋滞(2件の追突事故?)に巻き込まれてしまい、結果的には、1時間ほどの仮眠しか取れないまま、下の子のキッザニアに付き合うハメになった。

いやあ、マジでしんどかったっす(笑)。

まあ、パパの役割としては、いつものことだけどね…。

それにしても、下の子のイキイキとしていたこと!

私の記憶が確かならば、キッザニアは7回目くらいになるのだが、飽きずに、毎回、イキイキと満喫しているよなあ。

キッザニアというのは、簡単に言えば「児童向け職業模擬体験施設」ということになるが、大人はひたすら「外から子供たちを見守る」だけであり、全ての仕事は一貫して子供たちの手だけでやり抜くことが徹底されている。

仕事をすれば「キッゾ」という紙幣が貰え、銀行に預けたり、施設内で実際に使えたりもする。

要するに、大人のリアル社会を子供向けに完全縮小コピーしたような世界観なのだが、この徹底したリアルさの追求が子供たちには大ウケなのだ。

キッザニアの成功は、教育そして経営における重要なキーポイントを我々に与えてくれている。

そう、それは「信頼して任せる」ことの重要さだ。

下の子は、典型的な「妹ちゃん」で、妻なんぞは、どうしても何かと「干渉」してしまうことが多かったのだが、最近、下の子も、時々シッカリした言動をするようになってきた。

今回もホテルで、子供たちが部屋を見事にキレイに使っているのを見て、妻がメチャメチャ感動していたが、ひょっとすると、ちょっとした「キッザニア効果」だったのかも知れない。

人というのは、「信頼して任される」とモチベーションが一気に上がるものだ。

逆に、口うるさく、管理されている感がアリアリだとモチベーションは急降下してしまう。

今からやろうと思っていたのに、先に「宿題やりなさいよ!」と言われてしまうと、一気にやる気が無くなるという例のヤツだ。

親という字は、

「木」の上に「立」って、子を「見」守る、と書く。

まさに、親の役割はそれに尽きる!

親の子に対する接し方は、

放置型・信頼型・干渉型・支配型

の4つに大きく分類できると思うが、信頼型こそがベストなはず。

しょうがないことだが、世の中のお母さんは、どうしても干渉型になり易い。

我が家もその例に漏れないのだが、最近は、ようやく、妻も信頼型に近づきつつあるかな。

子供の権利には4つあると言われる。

愛される権利・遊ぶ権利・意見を表明する権利

そして、1人の人格者として尊重される権利である。

当然ながら、信頼型でないと子供の4つの権利を保障することは不可能なはず。

そして、経営における「人財教育」でも同じことが言える。

経営者の役割は3つに尽きる!と言われる。

1つは、会社の方向性に対する「意思決定をする」こと。

もう1つは、会社の最終的な「責任を取る」こと。

そして、最後が、会社の業務遂行について「信頼して任せる」ことだ。

よく「椅子が人を作る」と言われるとおり、信頼して任せない限り、人は決して育たない。

有能なワンマン社長に引っ張られていた会社が一代で潰れてしまうのは、社長が部下に仕事を任せられないからだ。

部下が社長のレベルに達するまで待ってから任そう!などという発想は、人財教育そのものを放棄していることと同じなのである。

子供の教育も経営における人財教育も、結局は「キッザニア的発想」が大切ということだ。

そう言えば、私は、親から細かいことを言われた記憶がないなあ。

小学校3年から寮生活をしてきたという特殊な事情もあろうが、親が私を信頼して一人前に扱ってくれたことは、私の人間的成長にとって大いにプラスに働いたはずだ。

私が立派に成長したかどうかは別として。

この夏休み、母が実に10年ぶりに四日市に来てくれた。

体を悪くして以来、なかなか遠出はできないでいたが、新事務所設立に伴い、一念発起して、姉・兄とともに四日市に来てくれたのだ。

最高に嬉しかった。

そして、

おばあちゃんの世話をシッカリしてくれた上の子、

ずっと笑いの中心にいた下の子、

2人の順調な成長も、最高に嬉しかった。

母から私へ、そして、私から子へ、「信頼」という名のバトンが確実に手渡されていることを実感した気がしたなあ。