沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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108)野菜とアイス

今月6日、厚生労働省が発表した国民健康・栄養調査によると、低収入ほど野菜不足になっているとの結果が出たそうだ。
この調査は、世帯年収を高収入層(年収600万円以上)・中収入層(年収200万円以上600万円未満)・低収入層(年収200万円未満)に3分して、1日当たりの野菜や肉などの摂取量を調査したもの。

まあ、考えてみれば、当たり前の結果かも。

野菜というのは、体に良いと頭では「理解」していても、食べたいという感情的な「欲求」が湧きにくい典型例だ。
食費に回せる金額に限りがあれば、肉や米などのガッツリ系の食材を優先して食べて「欲求」の充足を目指すのは当然であろう。
一方、収入に余裕が出てくれば、保守的志向にもなるので、健康に気を遣い始め、野菜を意識的に摂取し始めるということか。

この傾向、ズバリ、企業規模(年収)と予防法務(野菜)の関係にソックリなんだよなあ。

予防法務というのは、将来の企業リスクを低減するための法務であり、将来の健康リスクを低減する野菜の摂取と、と~っても似ているのである。
そして、たいして「美味くない」ところも似ていたりする(苦笑)。

企業体力があり保守的志向の強い大企業であれば、予防法務は当然の課題である。
もちろん、どの企業にも顧問弁護士はいるし、自前の法務部にだって弁護士が在籍している企業は珍しくない。

だが、企業体力のない中小企業には、野菜(予防法務)を食べる余裕もなければ、野菜(予防法務)が健康に良いという意識すら欠乏している。

野菜と対極にある食材は、デザートだろう。
デザートなんて、生きる上では必要不可欠ではないはずだ。むしろ、食べ過ぎると健康を害することも頭では「理解」されている。
だが、それでも、とっても食べたいという「欲求」に駆られてしまうというワケだ。

我が家は、家族全員、アイスクリームが大好きである。
外食時には、子供たちが「サーティーワン、行こう!」と必ず、おねだりしてくる。
おじいちゃん・おばあちゃんと一緒だと、大体おごってもらう(笑)のだが、どれだけ、お腹いっぱいでも、「別腹」に入るアイスはメチャメチャ美味い!のだ。

サーティーワンなんて、アイスクリーム専門店なのに、あれだけ儲かってるんだもんなあ。
デザートに対する人間の欲求はスゴイとしか言いようがない。

そうそう、アイスと言えば、最近、私は「15.0%」という商品を購入した。
何のことか、お分かりだろうか。

アイスクリームの成分規格が乳脂肪分15.0%以上というのが商品名の由来だそうだが、この商品、実は「アイス専用スプーン」なのである。

このスプーン、熱伝導率の高い「アルミ」で出来ており、手の熱がスプーンに伝わることによって、スプーンに触れたアイスの表面が溶けて、「カチカチのアイスでもスーッとスプーンが入っていって食べやすい!」というスグレモノなのだ。

でも、アイスに興味のない人からすれば「???」という話に違いない。
いや、むしろ、「バッカじゃないの~」ということだろう。
しかも、このスプーン、1本3150円ナリ!!(笑)
いよいよ、「ホントにバカ?」というレベルかも。

でも、これが、バカ売れしているらしい。
つまり、我が家と同じ趣向の「おバカさん」が世の中には大勢いるということだ。

もともと、健康のためにはムダであるはずのアイスクリームを、ただ単に食べやすくするためだけのムダなスプーンに財布の紐を緩める人々。
かたや、健康のために必要なはずの野菜には財布の紐が固くなる人々。

人間心理って、実に面白いものだ。

アイスのように食べたくなる美味い野菜。
野菜のように健康的になるアイス。

どちらも実現するのは難しい話である。

だが、先日、ご相談にいらした女性社長さんから頂戴した自家製の有機野菜!
あれは、実に「甘くて美味しい」野菜だった。
アッという間に、家族で食べ尽くしてしまったほどだ。

う~む。
やはり、我々の手がける予防法務は、どう考えてもアイスにはなれないのだから、せめて、頂いた有機野菜のごとく、メチャメチャ食べたくなる「美味しさ」がどうしても必要なんだよなあ。

経営コンサルティングというのは、ある意味「儲け」に繋がるサービスなので、企業にとっては「美味しい」ネタのはず。

うんうん。
コンサルの技能を磨いていくことこそが、有機野菜を売る秘訣なり!