沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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9)エンジェル係数

エンゲル係数ではなく、「エンジェル係数」である。もちろん、エンゲル係数をもじった造語なのだが、野村證券が1989年に豊かさの指標として設定した指数で、家計(月額)に占める子育て費用の割合を示すのだそうだ。子育て費用には教育費だけでなく、食費、被服費、日用品、遊興費、小遣い、保険料、将来のための預貯金等々も含まれるようだ。単純に考えれば、経済的に豊かになるほどエンゲル係数は減少する一方、エンジェル係数は増加するということだ。ちなみに、野村証券によれば、2007年におけるエンジェル係数は、不況を反映してか、過去最低の26.2%(首都圏・京阪神圏のデータ)だったそうだ。

我が家も、そろそろ受験を迎える子がおり、下の子も数年遅れて続くことになるので、今後10年以上は我が家のエンジェル係数は右肩上がりを示し続けることとなるだろう。私自身、より一層心身ともに充実していかねばならない。

ところで、最近、幾人かの先輩弁護士から子の進路等についての話を聞くことがあるが、子を弁護士にしようという話はあまり聞かない。もともと、弁護士は、他の職業に比べて二世が少ない。昔の司法試験は、いつゴールに達するか分からないような「苦行」に近いものだったし(予備校のない時代は、1日10時間の勉強で10年かかると言われたそうだ)、受かること自体が「ハプニング」のような試験だったので、同じ思いを子にはさせたくないという配慮も多分にあったろう。近時は若干受かりやすくなったものの、逆に、急激な増員政策で業界自体が先行き不透明となってしまい、職業として見た場合、残念ながら、積極的に子に勧めるべき状態にはないのかも知れない。

 今、身近に聞く話で、最も耳にするのが医学部への進学である。うちの子は、まだまだ自分の進路を決めるような学齢ではないが、何に影響を受けたのかは知らないが、何度か医者になりたいということを言ったことがある。どこまで本気かは分からない。音大に行って、パリのコンセルバトワールに留学したいと言っていたこともあるし、弁護士になりたいと言っていたこともある。今は、まだまだ「ノリ」で言っているだけだろう。ただ、医者になりたいという話をしてきた時には、その都度、私は、「それなら、何年浪人してもいいから、とにかく国公立に行ってな。」と半分冗談で半分本気で言い聞かせ続けている。

まあ、親としては、子のやりたいことは何でも全力で応援したいとは思うが、私立の医学部への進学は、根本的に家計を見直す必要に迫られるんだろうな、と思ってしまう。現実に私立の医学部に子を行かせている先輩弁護士もいらっしゃるが、本当に凄いことだとつくづく感心せずにはいられない。

ちなみに、私立の医学部に子を行かせた場合のエンジェル係数は如何ほどか。考えただけでゾッとするので、計算はやめとこう。今は、なんとか「分相応」の進路を選択してくれることを祈るしかないか。