沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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279)アッという間

平成最後の成人式。
上の子も、当事者として参加した。

子供の成長というのは、
ホントに、アッという間だ。

思い返せば、上の子は、
バタバタの大騒ぎの中で生まれた。

私がゴルフに出発しようとした矢先、
妻に突然の陣痛が!

大慌てで病院に駆け付けると、
上の子は、早く外界に出たいと思ったのか、
もう「頭を少し出していた」そうだ。

そんな慌てん坊で元気な赤ん坊も、
アッという間に、20年の歳月を重ね、
もう、立派な「成人」なんだよなあ。

いやあ、シミジミだねえ。

上の子が、関東で一人暮らしをし、
下の子が、早朝から夜まで不在の中、
我々夫婦は、よく話題になる
「子供が独立した後の夫婦だけの時間」
を、一足早く体験している今日この頃。

いざ、こういう日々を迎えると、
家族全員で過ごせる時間っていうのは、
ホントに、ごくごく僅かなんだよねえ。

でも、濃縮した幸せな時間を満喫した!

これからは、我々夫婦は、
自分たちの時間を「楽しむ」とともに、
子供たちの「幸せの後押し」をする番だ。

まだまだ、元気で頑張らねば!

さて、成人と言えば、下の子は、
ちょうど民法改正の影響を受ける世代。

2022年4月1日、改正民法が施行され、
現在、高校1年生と中学3年生の世代は、
この日に一斉に「成人」となる。
つまり、彼らの成人式は、2023年1月。

そして、現在、中学2年生の世代は、
2022年度に「18歳」となり、
同じく、2023年1月に成人式を迎える。

2023年1月の成人式は、
3世代が一斉に参加する空前のイベントだ。

さあて、どうなるんだろうね?

そもそも、高3の1月に成人式って、
ホントに、やれるの?という感じだよね。

大学受験を控えた高校3年生は、
成人式どころじゃないだろう。
気分的にも、浮かれてる場合じゃないし、
風邪をもらってもダメだしね。

成人式も、時期をずらす必要ありか?

成人の日は、昔は、
「小正月」に「元服」の儀式をしていた、
ということに由来するようだ。

ちなみに、
大正月=元日(又は元日~7日)
小正月=1月15日(又は14~16日)
元=首(頭)の意、服=着用の意
元服=頭に冠をつける
ということらしい。

まあ、それなりに意味はあるのだが、
ハッピーマンデー制度の導入で、
成人の日=1月15日
ではなくなった現在、
大胆に時期をずらした方がベターかね。

それにしても、
高校生のうちに成人になってしまうのは、
どうなの?って思ってしまうけど、
まあ、慣れてしまえば、大丈夫なのかな?

民法でいう「成人」というのは、
要するに、
「一人で契約できる」ということ。

未成年者のうちは、
親権者が法定代理人として、
子に関する契約を代理し、
子が勝手に契約してしまった場合は、
親権者が、その契約を取り消せる。

つまり、未成年者は「保護の対象」であり、
成人になるということは、
「自己責任を負う」
ということでもある。

高校3年生でも、4月生まれの子なんぞは、
高3になった途端に成人だ。

そうなると、甘い誘いに負けて、
学生ローンなんかを組んだりして、
気付いたら、多額の借金を抱えていた、
なんていうことが、社会問題化するかも。

心配ばかりしても仕方がないので、
しばらくは、見守るしかないだろうけど。

ところで、今回の改正は、
あくまでも、民法の話にとどまる。

民法で規定する「契約」については、
「18歳=保護の対象外」
ということにしたワケだ。

だが、「保護の対象」とすべきか否かは、
各法律の「趣旨」によって、バラバラ。

未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法では、
やはり、「20歳未満=未成年」のままだし、
少年法では、
やはり、「20歳未満=少年」のままだ。

それぞれ、心身の健康や社会での再起更生など、
契約(経済活動)とは違う配慮が必要だからね。

ただ、こうなると、
ある法律では成人でも、
またある法律では、未成年・少年のまま、
というヤヤコシイ事態が生じる。

例えば、19歳の人がトラブルを起こし、
それが、民事上の問題ならば「成人」だが、
刑事上の問題ならば「少年」ということになる。

少年法61条では、
いわゆる「実名報道の禁止」(努力義務)
を規定しており、
報道機関は、民事上の問題か刑事上の問題か、
逐一峻別した上で、報道することになるのか。

しばらく、混乱が生じそうだね。

そんな混乱が予想される中、我が家でも、
下の子は、19歳で成人となってしまう。

なんだか、寂しいねえ。
ホントに、しみじみと……。

できる限り、ほんの少しでも長く、
「子供のままでいて欲しい!!」
というのが、親としての心の叫びだね(笑)。