沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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278)3つの「シンカ」

平成最後の正月。

上の子も関東から帰省し、
下の子も束の間の休部で、
家族4人が久々に揃って、
妻の誕生日祝いもできた。

ホントにのんびりと、
存分に幸せを満喫したねえ。

上の子が関東に居住し、
下の子もハードな部活動ゆえ、
早朝から夜遅くまで不在で、
最近は、夫婦2人だけの日々。

夫婦だけの時間もいいけど、
やっぱり、家族全員揃う時間は、
格別!!といった感じだね。

さて、私も50歳となり、
人生の最大のテーマは、
「マンネリに打ち克つ!」
ということになってきた気がする。

「ジャネーの法則」によれば、
主観的に記憶される年月の長さは、
年少者にはより長く、
年長者にはより短く評価される。

ある年齢での時間の心理的長さは、
年齢の逆数に比例するそうだ。
つまり、年齢に反比例するワケ。

10歳の子供が感じる1年間は、
50歳の大人が感じる5年間に相当。

これは、誰もがシミジミと実感する
「えっ、もう1年過ぎたのかあ………。」
「ついこの間、正月を迎えたのに……。」
という例のヤツだ。

この経験則が成り立つ最大の理由は、
「刺激の減少」
ということなんだろう。

子供の頃は、何もかもが、
「初めて尽くし」
であり、全身全霊で毎日を生きていた。

ところが、人生50年、
仕事人生としても25年を超えると、
「全くの初体験」
というものは無くなり、
全てのことが、経験の延長線上で、
「何となく想定の範囲内」
ということばかりになってしまう。

まあ、ハッキリ言えば、
「つまらない毎日」
になってしまうワケだ。

私自身も、ここ数年、
モチベーションが低下しつつある、
という実感を抱いている。

いやいや、何とかせねば!
今年は、新元号に移行する年。
来年は、東京オリンピック。
再来年は、我々夫婦の「銀婚式」。
なんだかんだと、節目の年が続く。
私自身も、心機一転したい!!

なんて思っていたところ、
昨年末、竜王戦に敗れて、
「27年ぶりの無冠」
となった将棋の羽生善治氏が、
「前竜王」ではなく、
「九段」という肩書を名乗る、
とのニュースが報じられた。

羽生九段は、竜王戦に勝利すれば、
前人未到の
「通算タイトル100期」
を達成するはずだった。

しかも、羽生九段の初タイトルは、
平成元年の「竜王」であった。

羽生九段とすれば、
平成という時代のうちに、
「通算タイトル100期達成」
を果たしたかったであろうが、
「無冠」で新元号を迎えることに。

だが、羽生九段が、敢えて、
「九段」の肩書を選択したことに、
私は、深い感銘を受けた。

羽生九段は、平成2年には、
竜王位を失うこととなるが、
その際は、「前竜王」を名乗った。

どの肩書を選択するかというのは、
単なる呼称の問題にとどまらず、
棋士としての待遇にも影響する。

「前竜王」ならば、
8つのタイトル戦のうち、
竜王戦と名人戦を除いて、
シード権が与えられ、
予選を戦う必要がなくなるのだ。

つまり、羽生九段は、敢えて、
「予選から戦い抜く」
ことを決断したということだ。

当然、普通の発想ならば、
「通算タイトル100期」
を少しでも早く達成したい!
ということになろう。

ならば、予選をすっ飛ばして、
少しでも、「近道をしたい」
と思うはずだ。

だが、羽生九段は、
タイトル云々という些事ではなく、
「棋士としての原点に帰る」
ことを選択して、
「戦うワクワク感」
を優先したということなのかね。

羽生九段の心境自体は、
私のような凡人には想像もできないが、
「前竜王」を名乗った若かりし頃とは、
全く違う心境に至っていることは確か。

私も、羽生九段とは次元は違うが、
これからの「50代」を、
「ワクワク感」
で充たされたものにしたい!!

そして、
「50代は密度が濃い人生だった」
と後々に振り返ってみたいものだ。

刺激的な人生というのは、
好奇心に充ち溢れた人生である。

人間は、同じ場所にとどまれば、
必ず「飽きてしまう」もの。

飽きないためには、
常に「シンカ」せねばならない。

私見だが、シンカには3つある。
「進化」
「深化」
「新化」
の3つだ。

今の延長線上で「前へ進み」、
今と同じ場所で「深く掘り下げ」、
今と違う場所に「新たに踏み出す」。

羽生九段は、私の2つ下の同世代。
彼の「九段の精神」を見倣って、
この50代、
あらゆる「シンカ」を遂げたいっす!!