沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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265)知情意とAI

年度末だから?
というワケでもないんだろうけど、
ここんところ、土日の予定がビッシリで、
はたと気づいたら、
今月はブログを1本も書いてなかった。

さすがに1本くらいは書かないとなあ、
なんて思っていたところ、
たまたま、今日、
ポッカリと予定が空いたもんで、
何とかブログを書ける状態に至った次第。

でも、ホントは、
今日は、長い冬の間、待ちに待った、
ロードバイクサークルの「走り初め」
という楽しみな日だったんだよね。

ところが、あいにくの「雨」。
やむなく、走り初めは中止ということに。

まあ、天気ばかりは、どうしようもないので、
来月の「定例走行会」を心待ちにしつつ、
ハムスター(ローラー回し)生活を続けるのみ(笑)。

さて、年度末ということで、
我が家も、一つの節目を迎えた。
下の子が中学を卒業し、
夫婦で卒業式に参加してきたのだ。

本人の強い希望もあり、
中学時代に頑張った吹奏楽を続けるべく、
吹奏楽部の強い遠方の高校に進学することに。
結果、私は、今年4月からの3年間、毎日、
早朝に駅まで送り、夜に駅まで迎えに行く、
という何とも規則正しい生活を強いられる(笑)。

そして、上の子は、今、
大学のアカペラサークルに没頭中。
先日も、大学1年生のカテゴリーで、
アカペラの全国大会に出場し、
夫婦で東京まで応援に行ってきたのであった。

子供たちの頑張っている姿というのは、
親にとっては極上のご褒美だよねえ。
ホントに有り難いことだ。

ところで、上の子も、
今度、ようやく大学2年生なんで、
就職なんて「まだまだ」と思っていたら、
もう来年には就活準備が始まるんだよねえ。
ビックリするくらい、アッという間だ。

上の子は商学部に入ったので、
公認会計士を目指すという選択肢もある。
でも、学内の雰囲気としては、
「公認会計士の将来」
に対する不安が渦巻いているらしい。

将来、AIに駆逐される職業の代表格として、
公認会計士や税理士が挙げられているからねえ。

ということで、上の子も、
公認会計士試験は目指さずに、
一般の企業に就職することを選択しそうだ。

まあ、彼ら世代にとっては、
AIの発達というのは、
まさしく人生を左右する身近な問題なのだ。

私なんぞは、仕事をバリバリするのは、
せいぜい、あと10年くらいなもんだ。
10年くらいなら、AIに駆逐される心配はない。

もっとも、「知」の部分では、AIに敵うワケがない。
我々、弁護士も、AIとの共存は避けられないはず。

弁護士が扱う案件は、
「紛争解決」と「紛争予防」だ。
いずれにしても、
紛争というのは、「人」対「人」の問題。
紛争を開始するのも、終了させるのも、
最終的な意思決定者は、「人」である。

人の意思決定基準は、
大きく分けると3つある。

人の心の働きには「知情意」の3つがある。
「知」とは、「知性・知識・知能」のこと。
「情」とは、「感性・感情・気分」のこと。
「意」とは、「理性・意志・意見」のこと。

この3つの心の働きに対応して、
「知」=論理・打算・損得
「情」=衝動・直感・好き嫌い
「意」=価値観・倫理・善悪
という3つの判断基準で、
人間は意思決定をするということ。

この3つの判断基準において、
どこに、どれだけの「重みづけ」をするか、
これによって、同じ事象に対する判断は、
個々人によって千差万別となる。

だからこそ、紛争解決は一筋縄ではいかないのだ。

AIは、「知」の部分では人間を圧倒する。
だが、「情」と「意」の領域はどうだろうか。
「情」は、論理では理解不能だし、
「意」は、価値観を作れるのは人間だけだ。

つまり、AI自身が、
人間の感情や価値観に「共感」できない限り、
まだまだ、人間の出番は続くはず。

司法判断というのは、
事実認定→法的評価→規範適用
という段階を経て、最終結論を出す。
この「法的評価」と「規範適用」という作業には、
論理一辺倒ではない、人間的「さじ加減」が必要で、
これこそ、AIでは困難な作業の典型だ。

そう考えると、
弁護士業界の未来も、そう捨てたものではない。

私も、いよいよ、今年50歳を迎える。
仕事人生としては、「第4コーナー」だ。
そして、老後のセカンドライフとしては、
ようやく「第1コーナー」に入ったばかり。

仕事人生の「ラストスパート」と、
セカンドライフの「スタートダッシュ」。

ともに、ガンガン、攻めまくりたいもんすね。