沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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174)珈琲のある生活

今日も夫婦で、コーヒー・タイムを堪能した。
最近の夫婦共通のマイ・ブームは、「珈琲」なのである。

そして、今日の一杯は、また一段と格別だった。

昨日(2月13日)は、本年度最後となる三重弁護士会の総会が開催され、かねてより懸案となっていた議題が全て承認され、ドドドッと肩の荷が下りたところ。
加えて、次期役員も無事選出され、私の会長職も、残すところ1ヶ月半となった。
いよいよ、引継ぎをメインとした「着陸態勢」に入れる感じになってきた。

それに、今日はバレンタイン・デー。
妻と娘達から貰ったチョコやマドレーヌ・パウンドケーキを味わいながら、いい気分で、確定申告に向けた集計作業もササッと終えることが出来た。

ということで、心の底から「ふい~~~っ」という感じで、何とも表現できぬ「解放感」に浸りつつ、格別の一杯を堪能したというワケ。

で、珈琲の話に入る前に、確定申告で意外な集計結果が出たので、後輩弁護士の参考にでも なればと思い、ちょっと触れておきたい。

会長に就任する前は、多くの先輩弁護士から「収入が激減する」と脅され(笑)、私自身もその点は腹をくくっていたので、本ブログでも、そんなことをツラツラ書いたりしていた。

ところが、いざ蓋を開けてみると、平成26年度も例年なみの収入(売上)で、むしろ、所得は前年よりもアップしたくらいで、お陰様で(笑)、納税額も前年より増えそうだ。

このことは実に有り難いことであるが、経営コンサルタントの端くれとして、このことを自己分析してみるならば、収益構造の転換に成功できたから、という結論に至る。

弁護士の収益構造の私なりの分析方法は、顧問先案件・公職案件・スポット案件の3つに区分することである。

顧問先案件は、顧問契約を締結している企業からの直接依頼や顧問料収入だけでなく、顧問先や他士業、知人からの紹介案件を含む。

公職案件は、破産管財人や成年後見人、国選弁護人などの裁判所選任案件である。

スポット案件は、文字通り、新規顧客からの単発依頼である。

この区分の意味するところは、経営の「安定度チェック」である。

当然ながら、スポット案件の比重が大きければ大きいほど、経営は安定しない。
スポット案件の獲得競争というのは、真っ赤っかの「レッド・オーシャン」における死闘であり、その闘いに参加するだけで、多大な労力・時間・資金をジャブジャブ費やしてしまうことになる。

資金が潤沢な大手事務所であれば、広告宣伝費に多額な資金を投じることで、多くのスポット案件を安定獲得できるであろうし、特定分野で「ブランド」として確立している有名事務所やカリスマ弁護士が在籍するような事務所であれば、新規顧客がまさに「行列を作る」状態なのかも知れない。

だが、多くの無名の零細事務所では、スポット案件の安定獲得は至難の業だ。

経営の世界では、「1:5の法則」というものがある。
これは、新規顧客の獲得は、既存顧客の「5倍のコスト」が必要になるという法則だ。

だから、スポット案件の獲得競争は、「労多くして功少なし」となる。

当然、コストだけでなく、精神的疲弊もハンパではない。

また、公職案件の比重も大きくない方がよい。
公職案件は、新規顧客の獲得という意味でのコストは要しないが、弁護士人口が増えれば増えるほど、裁判所からの「配分」は減るワケで、年々減少するに決まっているからだ。

従って、顧問先案件の比重を如何に大きくできるか、というのが経営の安定化策の最重要課題という結論になる。

顧問先案件は、必ず自分に依頼が来るという意味で「1対1」の関係であるから、どれほど弁護士が増えても、依頼が減少することはないからね。

ということで、私の話に戻すと、平成26年の10年前である平成16年の私の収益構造は、収入(売上)ベースで、次のとおり。

顧問先案件=13%
公職案件=52%
スポット案件=35%

それから6年後の平成22年の収益構造は、次のとおり。

顧問先案件=40%
公職案件=20%
スポット案件=40%

そして、さらに4年後の平成26年の収益構造は、次のとおり。

顧問先案件=84%
公職案件=7%
スポット案件=9%

ちなみに、いずれの年も収入(売上)は大差ないので、スポット案件・公職案件への「依存」からは完全に脱却できたはず。

もちろん、こういう収益構造に転換できたのは、すこぶる「運」が良かったとしか言えまいが、競争社会に突入した弁護士の目指す方向性としては、これしかないと確信する。

つまり、フェイス・トゥ・フェイスのネット・ワークを如何に構築できるか、ということ。

繰り返しになるが、弁護士が如何に増えようとも、「1対1」のパイプが沢山あれば、依頼が減少することはないのだ。
そして、「1対1」のパイプを維持するのは、「多対多」の戦いに参加するコストの「5分の1」で済むのである

だからこそ、公務に大半の時間を取られた平成26年度も、当事務所は何とか安定経営を維持することができたというワケ。

………ということで、珈琲の話へ。

元々、私は、コーヒーは大好きで、食後には、必ずコーヒーを注文するし、事務所でもアイス・コーヒーは欠かさない。

でも、コーヒーをホントに楽しもうとおもったら、「やっぱり豆から挽かないとね」ということで、コーヒーミル(豆を挽く道具)とフレンチプレス(喫茶店で紅茶を注文すると付いてくる道具)、そして、焙煎した豆をアマゾンで注文してみたのである。

で、それらが届いてからというもの、夫婦で、毎日、挽き立ての豆から淹れた「珈琲」を堪能しているという次第。もちろん、豆挽き係は、この私。

何故、ドリップじゃなくてフレンチプレスなの?と思われるだろうが、モノの本によれば、フレンチプレスの方が簡単で失敗がないし、何よりも、ドリップでは抽出されない「コーヒーオイル」が抽出できるので、香りも引き立つし、味が円やかになるのだそうだ。
そして、フレンチプレスの方が「豆の違い」を堪能できるらしい。

今のところ、夫婦で「キリマンジャロ」と「ブルーマウンテン」を楽しんだが、我々のような素人夫婦にも、その味の差は歴然。

キリマンジャロは、酸味と香りが強く、ブルーマウンテンは、何のクセもなくてホントに円やかという感じ。
もちろん、どちらも文句なく美味い!!

夫婦で、挽き立てのコーヒーを堪能する。
ホントに贅沢だねえ。

やっぱり、ここは、コーヒーではなくて「珈琲」と書きたくなるよねえ。

で、来月からは、100g×5袋(店が選ぶ5銘柄)が毎月初旬に届く「定期便」がスタートする。
今から、ホントにワクワクだ。

1年後、我々夫婦は、相当「違いの分かる夫婦」になっているかも(笑)。