沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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115)「幸せ日記」のススメ

 先日、「幸せ脳を作るヒント」というタイトルで講演をさせて頂いた。

 なんでまた、弁護士・中小企業診断士が「心」をテーマに?と思うであろう
が、いやいや、弁護士だろうが、中小企業診断士だろうが、最後は「心の問
題」にメスを入れざるを得ないというのが率直な実感だ。

 弁護士が扱う法的紛争は、言うまでもなく、人と人との争いであり、争いの
タネは「人の心」である。
 争いごとというのは、多分に「人の心」に左右される。
 怒りのポイントは人によってバラバラなので、「なんで?」と首を傾げたく
なる対応をする人も珍しくない。

 弁護士たる者、依頼者の心・相手方の心、そして、裁判官の心をちょっとで
も「読み取る力」があれば最高である。
 まあ、そう簡単には読み取れるはずもないけどね…。

 企業経営だって、人(経営者)が人(従業員)を使って、人(顧客)に対し
て商品・サービスを提供するという営みだから、ポイントになるのは、やっぱ
り「人の心」である。

 中小企業診断士(経営コンサルタント)も、経営者の心・従業員の心、そし
て、顧客の心を「読み取る力」は不可欠である。

 それに、何よりも、この世に生きる全ての人が、自分自身の「心をコントロ
ールできる力」を身に付ければ、人生が「ハッピー」になること請け合いだ。

 と言うワケで、脳科学の専門家でもないが、冒頭のような講演をさせて頂い
た次第。

 でも、講演に先立って、以下のような文献を読み通したので、ちょびっとは
詳しくなったはずだが…。

 幸せの公式(シュテファン・クライン著、講談社)
 脳内復活(グレッグ・D・ジェイコブス著、PHP研究所)
 スタンフォードの自分を変える教室(ケリー・マクゴニガル著、大和書房)
 3週間続ければ一生が変わる(ロビン・シャーマ著、海竜社)
 単純な脳、複雑な「私」(池谷裕二著、朝日出版社)
 脳には妙なクセがある(池谷裕二著、扶桑社)
 脳はなにかと言い訳する(池谷裕二著、祥伝社)
 和解する脳(池谷裕二・鈴木仁志著、講談社)
 脳はなぜ「心」を作ったのか(前野隆司著、筑摩書房)
 錯覚する脳(前野隆司著、筑摩書房)

 さてさて、私がこの講演でお伝えしたかったポイントは、脳というのは、コ
ンピュータと違って、常に「回路の書き換えが自由!」という点だ。

 脳に対して、ある入力(刺激)をすると、個々人特有の「回路」を経由し
て、最終的な出力(反応)が現れる。

 この「回路」は、その人の生来の気質もあろうが、多分に後天的な「習慣」
が作り出したものだ。
 言ってみれば、この回路の個性が「人格」だったり「性格」だったりすると
いうワケ。

 回路の生成におけるキー・ワードは、「反復」と「継続」である。

 同じ入出力パターンを反復すればするほど、その入出力パターンが「強化」
され、逆に、その入出力パターンを回避すれば回避するほど、その入出力パタ
ーンが「退化」する、というのが脳の仕組みらしい。

 従って、特定の事象に「怒る」という反応を繰り返していると、いわゆる
「怒り癖」がどんどん「強化」され、どんな事にでも「怒る」という相当やっ
かいな「人格」が出来上がってしまうということだ。

 私が読んだ文献によれば、「怒りたいときは思いっきり怒り、泣きたいとき
は思いっきり泣いたらいい。」と巷でよく言われるアドバイスも、脳科学的に
は誤りとのこと。

 怒りや落ち込みにドップリ浸かり過ぎると、その回路がドンドン強化されて
しまうので、そのような入出力パターンが完成してしまい、怒りっぽくなった
り、うつ傾向に陥ったりしてしまうそうだ。

 まあ、長いこと弁護士をやってると、ホントにいろんな人と遭遇する。
 世の中、変わった人格の持ち主、結構多いっすョねえ~。

 では、脳を書き換えるにはどうしたらよいのだろう?

 皆さんも、次の言葉はお聞きになったことがあるはず。
 元ヤンキースの松井秀喜氏が星稜高校時代に山下監督から教えられた「人生
の指針」として紹介され、有名になった言葉だ。

 心が変われば、態度が変わる。
 態度が変われば、行動が変わる。
 行動が変われば、習慣が変わる。
 習慣が変われば、人格が変わる。
 人格が変われば、運命が変わる。
 運命が変われば、人生が変わる。

 この言葉は実に素晴らしい。
 う~む、なるほど!と頷ける。

 だが、私は、冒頭に大事な1行が抜けていると思う。
 ホントは「じゃあ、どうやったら心が変わるの?」と問いたいのだ。

 思考というものは、全て「言葉」を使って展開されていく。
 つまり、心の大半を作っているのは「言葉」に他ならない。

 言葉が変われば、心が変わる。

 そう、この1行を冒頭に付け加えるべきであろう。

 言葉の大切さというのは、あちこちで指摘されているとおり。
 日本には古くから「言霊」(ことだま)という表現もあるしね。

 それに、こんな名言もある。
 
 医者に三器あり。
 メス、薬、そして、言葉なり。

 ということで、オススメしたいのが「幸せ日記」なのだ。

 これも、私が読んだ文献の中で紹介されていたもの。
 まあ、「幸せ日記」というネーミングではなかったけどね。

 これは、今日感じた「有難いなあ」とか「幸せだなあ」と思ったことを、毎
日3つずつ「幸せ日記」に書いていくという簡単なもの。

 3週間も続ければ、脳に「幸せ回路」が出来上がるそうだ。

 これ、ホントにオススメなのだ。
 結構、続けていると、1日に感じる幸せや感謝なんて、3つどころじゃない
ことに気づかされる。

 私も講演するからには、自分でも実践しないといけないと思い、昨年11月
から続けており、もう100日を優に超えた。

 さてさて。
 もうバッチリ「幸せ回路」が出来上がったろうか?