沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
  • アーカイブ

  • 法律相談
  • 顧問契約

16)政界への転身!?

 昨日、日弁連から1枚のFAXが流れてきた。日弁連ニュース(速報)というもので、見出しはこうだ。「新たな活動領域 注目されています! 政策担当秘書」……(!?)。

 今回の総選挙で、大量の民主党新人議員が誕生した。当然、新人なので、秘書探しはこれからだ。
 議員秘書には、政策担当秘書・公設秘書・私設秘書の3つがあるが、政策担当秘書1名と公設秘書2名に対しては、公費で給与が支給される。
 従って、国会議員になったからには、是非とも政策担当秘書と公設秘書は抱えたいというのが本音だ。
 だが、政策担当秘書には任用資格が存在し、誰でも政策担当秘書になれるわけではない。しかも、その資格試験は、国家公務員1種試験と同レベル以上(!)というから、「ねえねえ、今度さあ、政策担当秘書の資格試験受けてみてよ。」と気軽にお願いしても、そう簡単に受かるわけではないのだ。
 ということで、これから、民主党新人議員は血眼になって政策担当秘書の「有資格者探し」を始めることになりそうだ。
 ちなみに、今回の総選挙で不運にも失職してしまった自民党の元議員秘書たちは対象外とされるらしい。自民党のスパイと化す可能性がゼロではないからだ。

 で、何故、日弁連が政策担当秘書の広告代理店のような真似をするのかというと、司法試験合格者は政策担当秘書の有資格者だから、ということなのだ。
 一昔前であれば、おそらく、日弁連がこんな広報活動をすることはあり得なかったろう。
 だが、現在は、弁護士人口急増による「弁護士受難時代」である。就職や仕事にあぶれている弁護士を少しでも減らしたい日弁連としては、これは「絶好のチャンス」と考えたのだろう。
 
 ちなみに、政策担当秘書の給与は、800万円~1200万円程度と言われる。
 この金額を聞けば、弁護士なんかとっとと辞めて、本気で、政策担当秘書になろうかなと考える弁護士も決して少なくないのかも知れない。私自身は、公私ともに地元にどっぷり浸っているので、今さら全てを捨てて単身赴任などということは発想もできないが、政治の世界を垣間見るというのは、いずれ弁護士として復活するにしても貴重な体験であろうし、政治家になりたい人にとっては、国会議員への確実なステップともなろう。
 私が弁護士になった頃は、イソ弁(居候弁護士の略。要するにボスに雇われている勤務弁護士。)の初任給は、個人事務所で600万円程度、渉外事務所(いわゆる「国際弁護士事務所」)に至っては1000万円超などと言われ、個人事務所なら、選り好みさえしなければ全員が就職できたし、将来への展望もあったから、経済的理由で政界へ転身するなどということは到底考えられなかった。
 
 いやあ~、つくづく、この5年間ほどの弁護士を取り巻く環境の激変ぶりには驚かされる。
 おそらく、今後の5年間は、今まで以上の激変(いや激震か)が待ち受けていることだろう。
 5年後、当事務所がますます地元に密着し、発展していることを祈念しつつ……。