沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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237)関わっちゃダメな人

森友学園問題。
籠池氏の証人喚問で、ますます「怪しさ」が増した感じだね。

つくづく、人付き合いをするにも、
「危機管理能力」が必要不可欠だって痛感するねえ。

安倍首相に、稲田防衛相。
二人とも、籠池氏との「関わり」自体をバッサリ否定して、
それ以上の追及を逃れたかったのだろうが、
それにしても、軽はずみな発言をしてしまったものだ。

安倍首相は、
「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会
議員も辞任するということを、はっきり申し上げる。」
とまで言い切った。

稲田防衛相も、
「私は籠池氏の事件を受任したこともなければ、裁判を行ったこともない。」
と言い放った。

でも、二人とも、
「配偶者」が深く関わっていたことは、重々、承知の上。

安倍首相夫人は、「名誉校長」だったし、
稲田弁護士(夫)は、「顧問弁護士」だったしね。

ならば、どの程度まで、自身の配偶者が関与していたのか、
それくらいは、事前に綿密に調査しておくべきだよなあ。

今回の証人喚問で、
「内閣総理大臣夫人付」という肩書で、当該官僚から、
国有地払下げ問題に関するFAX文書が発せられていたことが判明。

内容は、「要望には応えられない」というものだったが、
それでも、文書が偽造でない限り、国有地払下げ問題について、
安倍首相夫人の「関わり」自体は否定し切れなくなってしまったね。

稲田防衛相にしても、森友学園を原告とする民事訴訟で、
第1回口頭弁論期日に裁判所に出廷していたことが判明した。

いずれも、配偶者やその関係者に事前に確認しておけば、
その事実を把握すること自体は、極めて容易な事項ばかり。

結局、二人とも、
自身の軽率な発言によって、窮地に立たされてしまった。

この危機管理能力の欠如は、ホントにあきれるばかりだ。
しかも、それが、国防の「トップ2」を担う人達なんだからねえ…。

ところで、稲田防衛相については、
「裁判所への出廷を忘れることがあり得るのか?」
という疑問が呈されていたが、
弁護士の立場で言うと、一般論としては、
「あり得る」
ということになってしまう。

共同事務所の場合、実際に事案を担当するのは1~2名だ。
全員で担当していたら、共同事務所にする意味が薄れるからね。

でも、提出書面には、全員の名を連ねるのが通例。
いざという時に、担当を交代できるようにするため。

おそらく、稲田防衛相も、名前だけ連ねていたのだろう。
そして、第1回口頭弁論期日というのは、
通常は、被告及び被告代理人は出席しない。
裁判所と原告側の都合だけで、第1回期日が指定されているので、
第1回期日に限り、被告側は答弁書だけ提出すれば欠席OKなのだ。

ということは、第1回期日は、訴状と答弁書の確認だけをして終わり。
事前に第2回期日も調整済みなので、その場で決めることは何もない。

だから、事案の中味を全く知らずとも、
第1回期日のピンチヒッターなら、
名前を連ねている弁護士であれば、誰でもOKということなんだね。

事案の中味も知らない案件のピンチヒッターで、
「ただ出廷しただけ」
ということなら、「憶えていない」可能性は十分ある。

とは言え、自分の夫に事情を聴くことすらしなかったのは、
あまりにも、お粗末だけどね。

まあ、それはそれとして、
この籠池氏という人物、テレビ画面で見る限りは、印象が良くない。

もちろん、どういう人物なのかは分かるはずがないが、
あまり関わりをもたない方がベターな人物に見えてしまう。
どうしてもねえ……。

私なりには、
「関わってはダメな人」という基準がある。
ざっと挙げれば、次のような感じ。

(1)約束を守らない人
(2)ウソをつく人
(3)威張る人
(4)強欲な人
(5)激情的な人

上記のような人とは、どうしても「信頼関係」が築けない。
信頼関係が築けない以上、一緒に仕事をすることは出来ない。

人付き合いにおける「危機管理」の観点からすれば、
その人の人物像には細心の注意を払うべきなんだね。

関わってはダメな人とドップリ関わってしまうと、
政治家であれ、弁護士であれ、
仕事人生そのものを台無しにしてしまいかねない。

いやあ、ホントに怖~い話。
まさに、「手のひらを返される」ことになるからね。

今回のケースは、
我々にとっても、「対岸の火事」ではないよなあ。

くわばら・くわばら……。