沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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262)娯楽としての仮想通貨

今、何かと話題の「仮想通貨」。

中でも、最も有名なビットコインは、
2009年1月に初めて市場に登場した。
当初は、誰も見向きすらせず、
1ビットコイン=1円の価値が付いたのが、
ようやく2010年7月のこと。

ところがどうだろう。
その後、ビットコイン相場は、まさに「ウナギ上り」。

本日現在、1ビットコイン=90万円強。
1ビットコイン=1円時代に、
1万ビットコインでも買っていれば、
今や、90億円を有する資産家になっている計算だ。

もっとも、2017年12月の相場は、
1ビットコイン=200万円強だったのだから、
まあ、ひどい乱高下ぶりなんだけどね。

とにもかくにも、こうなってくると、
ビットコインで一攫千金!!
なんて考える人が出てくるのも無理はない。

現に、某お笑い芸人が、
今回のコインチェック事件で、
ほぼ全財産を失った、なんていう報道もあった。

でも、この報道がホントだとすると、
こんなものに全財産を注ぎ込むなんて……。
その発想自体、まるで理解できないよねえ。

仮想通貨は、そもそも、
ネット上での「便利で格安な決済手段」
として開発されたもので、単なる「ツール」だ。

ツールである以上、それ自体に価値は無い。

本物の通貨や国債なら、各国の価値が背景にあり、
株式や社債であれば、各企業の価値が背景にある。
そして、将来の価値増大が合理的に期待できるからこそ、
多くの人が、「投資」という行動に出るのである。
投資というのは、「資本に投じる」ことで、
将来の価値増大が「合理的」に予測されることが必要。

ところが、背景に何らの価値も無い仮想通貨は、
純粋に、その「需給関係」だけで相場が乱高下する。
つまり、その相場を「合理的」に予測すること自体が不可能。

そう、言うまでもなく、
仮想通貨を値上がり期待で買うということは、
投資ではなく、単なる「投機」に過ぎないのだ。
投機というのは、「機会に投じる」ことで、
まあ、基本的にはギャンブルと同義だ。

もちろん、ギャンブル自体は楽しい「娯楽」である。
娯楽である以上、ドキドキ感や高揚感を「楽しむ」べし。
つまり、完全にゼロになっても構わない余裕資金で、
純粋に、娯楽として興じるべきなのだ。

仮想通貨に全財産を投じるなんていうのは、
まさに、ギャンブルに全財産を投じるということ。

投機=娯楽ということを忘れてはならない。

一方の投資は、理論に裏付けられた経済活動だ。
企業ならば、「経営」そのものだし、
個人ならば、「生活」そのものということ。

生活である以上、多少の損はしても、
絶対にゼロにしてはならない!のだ。

我が家も、将来のために、
いろいろな投資を実践してはいるが、
それらは、いずれも、ギャンブルなどではない。

決して、派手な儲かり方こそはしないが、
時間を味方にして、コツコツと地道に増やす!
だから、投機に比べれば、娯楽要素は無い。
生活が懸かってるんだから、当たり前だ。

まあ、投資っていうのは、そういうもんなんすね。